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こんにちは。菰野ピアノ歴史館です。
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- 菰野ピアノ歴史館は歴史的な名器の音を後世に残すとともに「観て・弾いて・聴ける」体験型のミュージアムとして皆様からの温かいご支援により昨年の10月オープンいたしました。
地域の方々や、ピアノ愛好家の方々へピアノの歴史を知っていただき、その良さを体験していただき好評を得ています。
2021年初夏には、現代で貴重な、ウィーン式アクション衰退期のピアノを修復するプロジェクトに挑戦し、多くの方からご支援いただきました。ご支援いただいた皆様、誠にありがとうございました。
今回は第二回目のクラウドファンディングになります。今回のピアノも歴史的に興味深く珍しいピアノです。 -
100年以上前の自動演奏ピアノを修復したい
- 今回修復したいピアノは、100年以上前に製造された足踏み式の自動演奏ピアノです。
このピアノはドイツのピアノメーカー「Rönisch(レーニッシュ)」のアップライトピアノに「Hupfeld(フップフェルト)」社の「Phonola(フォノラ)」という自動演奏の機械を組み込んだ自動演奏ピアノです。 -
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- 現代の自動演奏ピアノは、電気を動力として動きますが、こちらは足踏みで空気を送り、それを動力とします。
ピアノの自動演奏には「パンチカード」と呼ばれる記録媒体を使用していて、これは厚手の紙に穴を開けて、その位置や穴の有無から情報を記録しています。
なお、当館ではこのパンチカードを50巻所有しています。 -
- 製造番号は51691で、1910~1915年頃に製造されたことがわかります。
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- 1877年にエジソンが蓄音機を製作し、実用化にいたるまでは、自動演奏ピアノが演奏を再生する機械としての役目をしていました。
演奏家がいなくても、音楽を楽しめる装置として、当時の人々の癒しとなっていたことが想像できます。 -
Rönisch(レーニッシュ)について
- レーニッシュはドイツ・ドレスデンにて1845年に創業されたピアノメーカーで、ベヒシュタインやスタインウェイよりも古く歴史を誇っています。
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Hupfeld(フップフェルト)について
- フップフェルトは、ルートヴィヒ・フップフェルトがオルゴールなどの機械を製作する会社を買収したことから始まりました。この会社の製品であるフォノラは1902年頃から人気を博し、1920年代にはヨーロッパ最大の機械式楽器の会社にまでなりました。
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Phonola(フォノラ)について
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- こちらは当時のフォノラの広告です。この広告によると、販売拠点がドイツ・ベルリンとオーストリア・ウィーンにあったことがわかります。
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クラウドファンディングを通して達成したいこと
- 今回クラウドファンディングでご支援頂いた資金は、楽器の修復や維持、運営などに使わせていただきます。
クラウドファンディングを通して資金を集めるだけでなく、皆様に菰野ピアノ歴史館の活動を知っていただき、ピアノの素晴らしさを伝えて参ります。
音楽文化の発展のために尽力していきますので、皆様のご協力とご支援をお願い申し上げます。