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はじめに
- はじめまして。宮城県石巻市で酒屋を営んでいる四釜商店の四釜 壮俊(しかま まさとし)です。昭和5年創業から代々引き継ぎ4代目となります。
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- 左:平孝酒造社長、右:四釜
- 宮城県石巻市は「世界三大漁場」と呼ばれ、新鮮で多くの種類の魚が獲れる資源豊富な地域。そのため、古くから魚に合う地酒文化も盛んで、魚料理を食べるときには必ず日本酒というくらい、石巻の食文化に日本酒は欠かせない存在です。
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- 石巻 万石浦(海底熟成酒を作っている海)
- 2011年3月、皆さんもご存じのとおり石巻市は震災で甚大な被害を受けました。当店も大規模半壊し、ビン酒は割れて散乱する大変な状況でした。
しかしそんな中でも、「外は汚れているけど中身はきれいだから」とお酒を地元の方が買ってくださっていました。避難所生活を余儀なくされる中で、住民は少しでも人と語らい楽しみを共有したいとお店のお酒を買い求めてくださったのです。 - おかげさまで、半年も経たないうちに店舗を改装し、通常営業することができました。そのとき改めて、石巻の人にとって日本酒は人と人を繋ぐ大切な食文化だと強く感じました。それから日本酒の良さをもっと感じてもらうため、300人規模の日本酒イベントを開催するなど、地域とお酒をつなぐ企画を行ってきました。
- 震災直後と半年後の四釜商店の写真(写真左:震災直後、写真右:半年後)
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新型コロナの影響で飲食店が自粛。石巻の活気を取り戻したい
- しかし、昨今のコロナで多くの飲食店が自粛、廃業に追い込まれる状況に陥ってしまいました。日本酒イベントも相次いで中止となり、かつての石巻の地酒を楽しむ場が失われていっています。
もっと地域を盛り上げたい、石巻の人に元気を与えたい―そんな思いから、石巻の美しい海を生かした、海底に沈めるお酒「海底熟成酒」をつくりたいと考えました。『海に眠るお酒を楽しむ』そんなロマン溢れるワクワクした地域プロジェクトにしたいと思っています。 -
- 今回、ご協力いただく地元の蔵元や漁業関係者、潜水士を巻き込んで、石巻初の特産品を生み出すため、クラウドファンディングに初挑戦します!
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海に沈めたお酒「海底熟成酒」とは
- 海底熟成酒とは、お酒を海底に沈めて自然に発酵を促し熟成させたものです。海に沈んだ沈没船から80年ぶりに発掘されたワインの話をご存じですか?海底で長い間眠っていたワインですが、非常に若々しくてコンディションが良く、一本100万円で落札されました。
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- 海底で貯蔵されたお酒は、水温や暗さ、振動により、地上の蔵の中で保管されるよりも味がまろやかになり、深みが増すといわれています。
最近では日本酒も海底で沈めて熟成させる製法が注目されているのです。 -
石巻の蔵元が丹精込めてつくる地酒「日高見」を海底熟成酒に
- 今回海底に沈めるお酒は、宮城県オリジナルの酒造好適米『蔵の華』を使用した「日高見(ひたかみ)」という生酒です。
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- しぼりたてならではのしゅわっとした発泡感が感じられるフレッシュな飲み口に、なめらかな米の旨味と心地よい酸味、そして、透き通るようなさっぱりとしたキレ味が特徴。魚介との飲み合わせに相性抜群のお酒です。
- 「日高見」は、石巻で二つしかない蔵元のうちの一つ、平孝酒造でつくられています。平孝酒造さんは、古き良き製法に加えて最新技術も取り入れ、日本酒の良さを存分に引き出すための研究を重ねている唯一無二の老舗の蔵元です。
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石巻の地形を生かした海底熟成酒づくり
- 今回お酒を沈める場所は、石巻市東部にある万石浦湾(まんごくうらわん)です。湾内では海苔や牡蠣の養殖が盛んに行われています。
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- その湾口の海底15mには、震災の津波で大きく削られた窪みがあります。その窪みは、冬場の水温が2℃と一般的な海と比べて低く、太陽の光が届かない暗闇であり、潮の満ち引きや漁船が行き交うため波の微振動が得られるなど、海底熟成酒の保存に適した環境が揃っていました。
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- 海底で熟成中のお酒
- 「ここでなら石巻の地形を生かすことができる!」と、私たちはこの場所で海底熟成酒をつくることを決めました。
歴史に刻まれた湾口の窪みは、新たに石巻の特産品を生み出す場所として活用することで、地域復興の希望になればと思っています。 -
今回お届けする海底熟成酒のこれまでの歩み
- 今回皆様にお届けする海底熟成酒は、宮城県ブランド地酒「日高見」を万石浦湾の海底で半年間熟成させたものです。
昨年12月、漁業関係者や潜水士の協力のもと丁寧に海底に沈められました。 -
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- 海底に沈められた「日高見」がどのように変化しているのか、私たちは2020年から試験的に毎月1回数本を引き上げて酒造の職人によって成分の分析や試飲を行っています。その結果、海底熟成酒は地上で保管されたものと比較して甘みやうま味が増加していることがわかりました。
酒造職人からは「味が良くなった」「まろやかになった」など、貯蔵前と比べて変化を感じた声が多く聞かれました。 -
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海底熟成酒をZenes限定で販売します!
- 今回の海底熟成酒は、クラウドファンディングの支援者様分の180本のみを海底に沈めて、Zenes限定で販売いたします。
- 今回は製品化前段階ということもあり、クラウドファンディングに参加いただいた全国の支援者様にはお酒を楽しんでもらい、その感想を集めて、製品・サービスの向上を図り、2024年の製品化に向けて取り組んでいきたいと考えています。
未だプロジェクト関係者しか味わっていない、どこにも出回っていないお酒です。
日本酒好きの方にも喜んでいただけるプロジェクトだと思います。 -
綺麗に洗浄し丁寧に梱包してお届け
- 海底熟成酒は4月末ごろ引き上げ予定です。
海から引き揚げられた後、ビンに付着した泥や小さな貝を丁寧に洗浄し、安全性を厳重に確認後、丁寧に梱包いたします。
開封してそのまま食卓に出せる状態でお届けするので、ご安心ください。 -
美味しく飲むための保存方法
- お酒が届いたら、新聞紙に包んで冷蔵庫または暗室で保管してください。美味しく飲んでいただけるよう、開封後1週間程度で飲み切ることをおすすめしています。
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おすすめの料理
- スッキリとした味わいの「日高見」は魚料理と相性が良く、お刺身や煮付、焼き魚など魚料理全般におすすめです。
さらに海底で熟成されることで甘みと酸味が増すので、上記の料理の他に、こってりした味付けや濃い味の料理に合わせるのもおすすめです。 -
皆さまからの資金の使い道
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- 応援して頂いた資金は主に海底熟成酒づくりのための費用と、石巻漁協団体への寄付に当てさせていただきます。今回海底熟成酒をつくるにあたり、蔵元や漁業関係者、潜水士など多くの地元の方にご協力いただきました。今後の製品化に向けての資金とさせていただけたらと思っております。
また、1本ご支援につき売上の500円を海の環境保全のため、継承 奥の海 万石浦(けいしょう おくのうみ まんごくうら)として宮城県漁協を中心に地元漁師や漁業関係者で構成した、万石浦湾の環境・資源保護活動を行なっている組織に寄付します。
その組織では、酸素供給や生物の産卵場として重要な役割をもっている藻場(藻場とは→アマモやアカモク等の海そうが群生しているもの)の保全、役割を終えた海そうが枯れて海に流出したものを放置すると牡蠣などの養殖筏(ようしょくいかだ)や船のプロペラにからまる等の被害が出るため、枯れた海そう=流れ藻(ながれも)の回収作業を行なっているます。これらの活動資金として一部を寄付いたします。 -
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お酒と石巻の海の幸を堪能いただけるリターン
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- 海底熟成酒(720ml)と海底に沈めていない同じお酒の飲み比べコースや、魚介類が豊富な石巻で獲れた海苔、そして燻製にした牡蠣、つぶ、ホヤのセットなど豪華に取り揃えております。海底熟成酒とともに、石巻自慢の海の幸を堪能していただけたらと思います。
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応援メッセージ
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石巻元気商店 店長 佐藤友美さん
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- 写真左:佐藤さん
- 私は石巻の「食」を中心に特産品をPRする仕事をしています。
仕事柄、石巻に興味のある方へ、おすすめの食やそれに合う地酒について情報交換をする機会も少なくはありません。情報交換・情報収集をしていく中で「石巻でお酒を買う場所のおすすめはありますか?」という私の問いに対して、石巻在住の方々や、石巻にゆかりのある方々におすすめされたのが「四釜商店」でした。
市内にある多くの酒屋が、飲食店への卸売を中心としている中、「四釜商店」は石巻のお店への卸売と小売り(地域の人、観光客への直接販売)が半々の割合になっている独自色の強い酒屋です。なぜ、こんなにも地域の方々、観光客の方々に愛され、選ばれているのか。それは、店主の四釜さんが日本酒に対して深い知見を持っているということが理由の一つとなるでしょう。一年間蔵元で修行された経験を持つ四釜さんは、季節やお客様の好みの味、合わせる食材によって丁寧な説明とともにお酒を紹介してくれます。そんな四釜さんと地域の人々がつくる、こだわり抜いた海底熟成酒の今後がとても楽しみです。 -
銀座5丁目牡蠣Barオーナー 保泉祥子さん
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- 全国の生産者の顔が見える牡蠣を提供しています、銀座5丁目牡蠣Barの保泉です。
石巻には何度も訪れ、牡蠣生産者のお話を聞いたり、牡蠣現場を見学させていただきました。
石巻の牡蠣は、貝柱と身のバランスが素晴らしく、生はもちろん料理しても しっかりとした牡蠣風味があり、ファンが多いです。
そんな石巻の牡蠣生産地の海で熟成させるお酒は楽しみでありません。
牡蠣と一緒に提供したいです。
私は牡蠣のお店をプロデュースする仕事もしています。仲間のお店にも提案していきたいと思っています。楽しみです。 -
最後に
- 今コロナで飲食店を筆頭に地域が疲弊していっているなか、酒屋として何かワクワクするような面白いことができないか?という思いから始まりました。
今回のプロジェクトは、日本酒を造る蔵元、お酒の販売店、貯蔵場所を提供してくれる漁業関係者、設置や管理を行う潜水士など地域の様々な人たちが協力して実現した企画です。 -
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- 協力者の皆様
- 「海底熟成酒」が石巻の新しい特産品となるよう、地域で一致団結し製品化に向けて進んでいきます。そして皆さまに「海底熟成酒」をお届けすることで、石巻の地域の人々にとっての希望や支えにつながります。
このプロジェクトを通じて、石巻で育まれた「海底熟成酒」の味わいを楽しんでいただき、石巻自慢の魚介を堪能していただけたら嬉しいです。
皆さまの応援、ご支援を何とぞよろしくお願いいたします! -
※ストップ!20歳未満飲酒・飲酒運転。20歳未満の飲酒は法律で禁止されおり、販売はしません。
※妊娠中や授乳期の飲酒は胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。
※お酒は楽しく適量で。飲んだあとはリサイクル。