-
-
はじめに
- こんにちは、初めまして。イーリーカフェの矢島 衛と申します。
私たちは新潟県の山あいにある「小清水」という集落を100年後まで存続させたい!という思いのもと、カフェの経営、米と自然薯の栽培、米粉を使ったお菓子の製造販売、農家民宿の運営を行っています。 -
- 小清水は、私の母が生まれた集落。私は東京で生まれ、大学を卒業してから小清水に移住してきました。小学生の頃、毎年夏休みになると遊びに訪れていた小清水。大学生になり、久しぶりに訪れた小清水は人が減っていて、なんとなく寂しさを感じました。
「このままでは小清水が無くなってしまうのではないか」
危機感を感じました。
集落の外から見るとそう感じてしまう状況でも、小清水に住む人たちはこの土地をとても愛していることを、このとき同時に感じました。地域の人たちの土地に対する想いに触れ、涙が止まらない。生まれて初めての体験でした。
この一件があってから私は大学での就職活動を辞め、小清水に移住する決意をしました。 -
- 移住してから約10年後、2016年にイーリーカフェをオープン。集落の入口にあったラーメン屋の閉店、おばあちゃんたちの集まる場所だった地蔵堂の取り壊しなどを受け、集落内に飲食の場や集まる機会を作りたい、そして集落外のたくさんの方にも小清水を訪れてもらいたいと考え、カフェを始めました。
-
- カフェオープン後、まもなくしてスタートしたイベント「善根宿NITE」。
普段接することのない業界の話や珍しい仕事をしている方を招きお話を聞くトークイベントです。
山あいの集落の一番奥に灯りが点り、夜な夜な集まった人たちがその場限りの時間と空間を共有し、旅人の土産話に耳を傾けます。イーリーカフェらしいイベントでしたが、新型コロナウイルス流行により、開催が難しくなってしまいました。 -
クラファン挑戦のワケ
- 「山あいの小さな入口から始まる大きな出会い」
イーリーカフェのコンセプトでは「出会い」を大切にしています。
出会いはエネルギーです。出会いがきっかけになって新しい自分が目覚める。いままでになかった方向性が生まれる。そして、新しい一歩を踏み出す。 -
- 小清水集落も出会いから始まりました。今から1,200年前、長野の諏訪大社下社の神主が新潟県内を旅する中で小清水の土地と出会います。
時代は下り、江戸時代から明治中頃まで、小清水は柏崎と十日町を結ぶ街道筋として栄えます。最盛期には旅人が立ち寄る茶屋や旅館まであったと言います。大勢の旅人が通ったという歴史的な背景があるからでしょうか。小清水に住む人たちは、とてもフランクで外からやってきたカフェのお客さんにも気軽に声をかけます。
小清水集落には旅人がやってくると善意で宿を提供する家がありました。
「夜な夜な旅人の話す遠い土地の土産話を肴に、家族で旅人を囲い、お酒を飲んだもんだ。普段は怖い親も、お客さんがいるから怒らない。子ども心に旅のお客さんが来た晩は楽しかったのを覚えている」
と、近所のおばあさんから昔話を聞かせてもらったことがあります。
インターネットが発達した現在だからこそ、アナログに膝をつきあわせて旅人が話す遠い世界の話を、山あいの一番奥で夜な夜な集まって耳を傾けたら面白いんじゃないか…?
こうして始まった善根宿NITEは、イーリーカフェならではの人脈で、ここにしかない出会いを作ってきました。メルボルン発チャイブランドの社長、プロカメラマン、地元酒蔵の杜氏など、様々な旅人を招いてその晩限りのひと時を共有しました。 -
- しかし、2020年新型コロナウイルスが世界に広まり、イベントの開催ができなくなります。
もともとイーリーカフェの店舗は納屋を改装して出来ています。店内はせまく、イベントで大勢が入ると店内が密になってしまいます。カフェの通常営業も席数を減らして実施。高齢者が多く住む小清水では感染が発生した場合、リスクが高くなるため、なおのこと徹底した感染対策が必要でした。 -
- そこで今回のクラファンでは、感染対策ができて大人数が入っても密にならない場所で善根宿NITEが開催できるよう、カルチュラルスペース(文化的空間)開設へ挑戦します。
このタイミングで新しい挑戦を始めるのにはもうひとつ理由があります。カフェはもともと多くの人に小清水を知ってもらうための入口として作りました。オープンから6年が経ち、現在では1年間に3,000組のお客さんが来てくれるようになりました。当初は私たちの思いに共感してくれた方や、メディアを見て来店される方が多かったのですが、最近では純粋に料理やお菓子のおいしさを求めて来てくださるお客様が増えました。カフェはコンセプトの「山あいの小さな入口」としての役割を十分果たしてくれていますが、カフェ運営で手一杯となっており、「大きな出会い」がまだ作れていないと思っています。
そのため今後は「大きな出会い」をつくるべく、カルチュラルスペース開設に挑戦していきたいと思います。 -
プロジェクトの内容
- イーリーカフェから歩いて約5分の場所にある農家民宿を、イベント開催が可能なスペースに改装します。併せて、新型コロナウイルスの感染が拡大してから営業できていなかった農家民宿の修繕を行います。
-
-
バーカウンターを設置
- イベントにお酒や食べ物はつきもの。様々なお酒が提供でき、簡単なおつまみを出せるよう、調理設備を設置します。
-
お子さん連れも安心の「こあがり」
- 地方の教育環境で足りないものは「出会い」だと思います。風変わりで刺激的な大人との出会いが、地方の子どもには足りないのです。このプロジェクトでは地方の子どもに出会いを提供する目的もあります。子連れでも来やすい空間にします。
-
お一人様も気兼ねなく来られるラウンジ
- 積極的に人と話すタイプではないけど、イベントの空間は好きで、なんとなくここにいたい。そんな方向けに、イベントが終わったあと一人でもまったりと遅くまで滞在できる空間を作ります。
-
善根宿NITEの開催
- 改修後は3か月に1回のペースで善根宿NITEを開催します。
夜な夜な山あいに集まるからこそ聞ける、ここだけの話。
悪だくみを共有する大人の社交場。
一期一会の出会いから始まる新しい動き。そんなイベントにしていきます。
現在次のようなゲスト=旅人を招く予定です。 - 柏崎市の人口はついに8万人を切りました。小中学校の統廃合も進んでいます。新型コロナウイルスも一進一退で完全終息は望めません。
オンラインの集まりは確かに便利です。私も良く利用します。
けれどそんな中だからこそ、リアルでの出会いのインパクトは大きい。 -
- 山あいの宿に夜な夜な集まりワクワクする話をする。互いの話にインスピレーションを受け、挑戦をしたくなる。その様子に、普段見ない表情で楽しそうに話す大人たちの顔に、ドキドキする子どもたち。
小清水だけではなく柏崎にとっても必要な、出会いのある場を作りたいです。 -
資金使途
- ・バーカンター設置
・こあがり設置
・床改修
・ラウンジ構築
・サッシ入れ替え -
みなさまにメッセージ
- 最後に、プロジェクトが成功すると見えてくる世界についてお話します。
人が何か行動を起こすとき、新しい挑戦をするとき、必要なことは「感情の変化」だと思います。感情の変化を一番起こしやすいのは「出会い」です。
今後、日本全体で人口が減り、東京への人口集中、地方の過疎化はさらに進みます。この大きな流れに少しでも抗うには、地方に住む人の新しい行動や挑戦が必要です。
特別な技術や資源、設備は無くても出会いは作ることが出来ます。
私たちは小清水だけが存続できればいいと思っているわけではありません。小清水でこのプロジェクトを成功させ、地方の同じような悩みを抱える中山間地にも小清水のノウハウを提供し、日本全体が元気になっていく。これがプロジェクトを通して作りたい未来です。
私たちの挑戦をあたたかく見守ってください!ご支援、よろしくお願いいたします。
EALY CAFE オーナー 矢島 衛 -