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2022年3月30日 本プロジェクトの中心メンバーで食肉卸の秋田かまくらミート社長の動画をアップしました!
- 「特におすすめなのは、実は肩や内臓といった、当たり前にあるごく普通の部位です」。なぜ、秋田由利牛まるごと提供に挑むのか、朴訥とした秋田弁のなかに滲む本気を、ぜひお感じいただきたく思います。
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「和牛界の刺客 秋田由利牛」が業界の常識破りに挑む!精肉も内臓もすべて、まるごと提供します
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- はじめまして。秋田由利牛振興協議会です。生産者やJA、自治体などで構成している団体で、秋田の由利本荘市で育てている秋田由利牛をみなさんに知っていただく活動を続けています。
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- みなさん、銘柄牛が全国にどれくらいあるかご存知でしょうか。実は300を超えているんです。どちらの産地も懸命な努力を続けています。でも、コロナ禍で需要が急変したなか、競争も当然厳しい。
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- 私たちは、いったんは戦いを諦めかけました。知名度は必ずしも高くないですし、大都市圏から距離があるのも輸送費がかさむぶんだけ不利です。それに、たくさんある銘柄牛のなかで、どう差別化を図れるのか、正直に言いますと確信を得られなかった。でも……。
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私たちの想い
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食べつくしたら、答えが出た
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- 私たちは、「ひとまず、よその銘柄牛のことは意識せず、なにより自分たちの秋田由利牛の強みはなんなのか」をゼロから見直そうと考えました。
- 秋田由利牛は、秋田しんせい農業協同組合由利牛肥育部会員の飼育による黒毛和種です。出荷6カ月前からは飼料米を1日1kg以上与えています。それが味の良さをもたらすと確信しているからです。でも、それをもってして差別化と言っていいか。いや……。
- 差別化にこだわるから、よそばかり気になる。そうではなくて、私たちの持ち味をいまいちど確認しようと決めたんです。自信をもってみなさんに「これが秋田由利牛だ」とお伝えできる部分はあるのか、それともないのか。振興協議会メンバーの皆でそこを突き詰めようと判断するまで、1年半かかりました。全員が同じところを向きたかったので、議論に時間を費やしました。
- 改めて、秋田由利牛を食べに食べました。すると……。
- 「まるごと、旨い」
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- このキーワードが浮かび上がりました。カルビも、モモも、サーロインも、そして、タンも、ギアラも、ホルモンも……。精肉から内臓まで、一度の食事で口にしても、ぜんぜん食べ飽きしないんです。赤身の部位は地味深いけれど穏やかな味わいであり、脂が強く見える部位も舌にとても優しい。さらにいうと、タンもホルモンもタンもさらさらと口の中を通りすぎていくほどに上品なもので、しつこくない。
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- ある生産者は「ああ、確かにそれは『秋田由利牛ならでは』かもしれない」とつぶやきました。牛たちが飲む水のおかげかもしれませんし、吟味を重ねている餌の効果かもしれません。でも、水や餌に関して、よその産地との差別化をことさらに謳わなくても、ただただ単純に「まるごと旨い、まるごと楽しい」とみなさんにお伝えすることのほうが大事と考えました。
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だったら、すべての部位を届けたい
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- 試食を重ねたのち、会議に参加していた1人が、あるときこう語りました。
- 「かつての霜降り肉人気の後は、2000年代からの赤身肉ブームがきた。秋田由利牛は、その次の20年、30年の牛肉のありようを指し示す存在ではないか」
- 私たちは、この思いをみなさんにお伝えしたく、2つの作業に入りました。まず、秋田由利牛のキャッチコピーの見直しです。議論を続けたすえ、こんな表現にたどり着きました。
- 「和牛界の刺客 秋田由利牛」
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- 和牛のことを言葉にするのに「刺客」という言葉は穏やかではないかもしれませんけれど、私たちの意思をしっかり示そうと考えたのです。新たな和牛像を築くために、全員で踏ん張っていこうと……。
- 次に動いたのが、このクラウドファンディングへの取り組みです。「まるごと旨い」「いろいろ食べても決して飽きずに堪能しつくせる」と断言するからには、私たちがすべての部位をそろえて、消費者のみなさんに(せめてクラウドファンディング限定でも)ご提供しないといけないから。
- ただし、これは2つの意味で、元来は実現不可能な話でした。1つめは、この業界では精肉と内臓の流通経路が全く異なるためです。例えば、同じ銘柄牛のロースとホルモンを同時に売られている場面は、ほぼありませんね。そうした背景があるからなんです。
- 2つめは、精肉も内臓もまるごと提供しようとすると、余ってしまう部位がたくさん出てしまうことです。シャトーブリアンやタンなどは一頭から取れる量がとても少なく、逆にモモなどはたくさん確保できます。だから、より多くの消費者のみなさんに「すべての部位をご提供する」となると、希少な部位に合わせるかたちで、すさまじい頭数を調達しないといけません。
- 「やっぱり、まるごとの提供は無理なのではないか」
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- 全員がうなだれかけた場面で、地元の食肉卸の社長が腹をくくりました。「方法はあります」と……。食肉業界での商慣習とは大きく外れる手法ですが、あきらめるのはまだ早いという話でした。どういうことか。
- 秋田由利牛を一頭手配して、精肉だけでなく、内臓の流通経路も厳格に確認し、その両方を同時に手に入れる。それでも希少部位は足りませんから、あと一頭ぶん、タンやホルモンなどの内臓を追加で仕入れる。その際も、ほかならぬ秋田由利牛の上質なものであることを追跡確認する。
- それを実行して、今回のクラウドファンディング公開を迎えられました。
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これが、ご提供する全部位です
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- 部位によって、どうしてもご提供する数が限定されること、どうかお許しください。
- ちょっとたくさんの画像になりますが、今回そろえたすべての部位をご紹介させてください。食肉卸の社長みずからが勧める食べ方もお伝えしますね。
- ※画像はイメージです。実際にご提供する内容量は各説明文をご参照ください。
(実際には、ほぼすべての部位で、画像よりも多い内容量です) - まず、精肉からいきます。
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【限定6パック】ヒレ シャトーブリアン/約125g×2/12,000円
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- ヒレのそのまた真ん中。「とろっと、とろける」というのではなくて「かみごたえもまたある」んです。食感ひとつ、すごぶる楽しい部位。これはステーキでしょう。
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【限定9パック】ヒレ バット・フィレミニョン/約140g×2/12,000円
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- シャトーブリアンと隣り合う部位です。特徴はシャトーブリアンとほぼ共通しています。それと同じ価格での提供ですが、内容量はちょっとだけ多め。これもステーキで。
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【40パック】サーロイン/約220g×2/12,000円
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- 「食べ飽きしない秋田由利牛」の強みを表す真骨頂かもしれません。どこまでも優しい脂身であり、肉の旨みも十二分です。これもぜひ、ステーキでお楽しみください。
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【12パック】モモ(ローストビーフ用)/約650g/9,800円
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- モモのいいところを塊でご提供しますから、ローストビーフに仕上げてくだされば。味は……くどくないんだなあ。そこがいいと思います。滋味深さをご体験ください。
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【限定2パック】とも三角(焼肉用)/約650g/9,800円
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- モモのなかでも、サシ(脂)がいっぱい入る部位なんです。2パックの限定となってしまいますが、焼肉にして召し上がっていただければと思い、ご提供いたします。
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【12パック】三角バラ(焼肉用)/約600g/9,800円
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- いわゆる「特上カルビ」です。秋田由利牛がもつ脂の美味しさ、優しさを実感していただくのに絶好の部位でしょうね。焼肉がいいですが、実は煮込んでも贅沢な味に。
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【30パック】リブロース(すきやき用)と、モモ・バラ(焼肉用)のセット/約350g/約300g/12,000円
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- すきやき用のリブロースは、肉と脂それぞれの旨さを同時に味わえる部位。サーロインにもまして肉の繊維を感じられます。これに、焼肉で美味しいモモ・バラをセット。
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【52パック】肩ロース(すきやき用)と、モモ・バラ(焼肉用)のセット/約480g/約300g/12,000円
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- すきやき用の肩ロースは、リブロースよりもさらにサシが入っている感じですね。すきやきで楽しむのがベストでしょう。これに、焼肉で美味しいモモ・バラをセット。
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【21パック】カタ(すきやき用)と、モモ・バラ(焼肉用)のセット/約600g/約300g/12,000円
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- すきやき用のカタは、よく動く肩の部位だからでしょう、肉の旨みがいいんです。脂の強さは、肩ロース>リブロース>カタの順です。これに、焼肉で美味しいモモ・バラをセット。
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【17パック】モモ(すきやき用)と、モモ・バラ(焼肉用)のセット/約750g/約300g/12,000円
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- すきやき用のモモは、赤身の旨みをご実感いただけるところを選びました。活動力の多い部位だからでしょうか、しっかり美味しい。これに、焼肉で美味しいモモ・バラをセット。
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【64パック】モモ・肩バラのミックス(切り落とし、炒め・牛丼用)/約900g/9,800円
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- 秋田由利牛は、牛丼にするとまた旨いんだなあ。モモと肩バラをミックスしましたから、脂と赤身のバランスも良好だと思います。炒めものに使っても威力を発揮しますよ。
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【17パック】スネ(カレー・シチュー用)と、挽肉のセット/約900g/約500g/8,000円
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- スネは雑味が少なくて、しっとりしています。品のある煮込みになるなあ。挽肉には、スネ、肩肉、ブリスケ、ネックなど、硬いけれど美味しい部位を使用。地元ではこれが大人気です。
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【10パック】スジ/約1kg/5,000円
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- スジって、えぐみの強いものが多いでしょう。秋田由利牛のスジは全然違います。優しい味わいの煮込みが完成するんです。甘みのある根菜と一緒に炊いてほしいなあ。
- 次に内蔵の説明にいきますね。
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【限定6パック】牛タン(スライス)/約300g/6,000円
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- タンって、一頭から1kgも取れません。だから今回は二頭ぶんを手配しました。国産の銘柄牛のタンを楽しんでいただける機会をぜひつくりたかった。それでも数限定ですみません。
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【限定4パック】牛ハラミ(焼肉用)/約300g/6,000円
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- ハラミというのは横隔膜ですね。これは焼肉でご堪能いただくにつきます。ハラミの名はよく知られていますけれど、取れる量が少ないんです。限定4パックとなること、お許しください。
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【限定3パック】牛サガリ(焼肉用)/約300g/6,000円
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- サガリは、ハラミより後ろにある部位を指します。これも焼いて楽しむのがいちばんでしょう。ハラミと同様に秋田由利牛の持ち味を感じていただけます。限定3パックとなります。
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【限定4パック】牛テール/約1kg /6,000円
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- テールというのは、一頭から2kgも確保できません。今回は二頭ぶんのご提供です。これはもうスープですね。今回はスープ用での提供ですが、実は薄切り状のを焼いても美味しい。
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【 限定1パック】牛ホホ肉(煮込み用)/約1kg/6,000円
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- ごくごく少ない部位なもので、1パックだけになること、すみません。煮込んであげると抜群の旨みですし、薄く切ってから焼いても、その実力を体感いただけると思います。
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【限定5パック】大腸と、小腸と、ミノと、レバーと、ハチノスのセット/約115g/約270g/約230g/約230g/約155g/5,000円
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- 内蔵の美味しい部位のセット、その1です。焼肉にいい4つの部位に、ハチノスをセットにしました。ハチノスは焼くだけでなく、煮るのもまたいいものなんですよ。限定5パックです。
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【限定6パック】大腸と、小腸と、ミノと、レバーと、ギアラのセット/約115g/約270g/約230g/約230g/約155g/5,000円
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- 内蔵の美味しい部位のセット、その2です。焼肉にいい4つの部位に、ギアラをセットにしました。ギアラもなかなかお店に出ない部位です。強目の味つけが似合います。限定6パック。
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【限定4パック】大腸と、小腸と、ミノと、レバーと、センマイのセット/約115g/約270g/約230g/約230g/約155g/5,000円
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- 内蔵の美味しい部位のセット、その3です。焼肉にいい4つの部位に、センマイをセットにしました。センマイは2〜3回湯がいてから酢味噌あえにするのがいいでしょう。限定4パックです。
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【11パック】大腸と、小腸と、ミノと、レバーと、ハツのセット 約115g/約270g/約230g/約230g/約155g/5,000円
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- 内蔵の美味しい部位のセット、その4です。焼肉にいい4つの部位に、ハツをセットにしました。ハツも焼肉がベストですね。その歯ごたえと旨みを、ぜひご堪能ください。
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3年間かけて、公開に踏み切った
- この秋田由利牛の案件、私は会議のほぼ当初からメンバーに加わり、監修者として同席していました。銘柄牛のブランディングは大変だなあ、と思いながらの参加でした。
- 秋田由利牛に限った話ではなくて、各地の銘柄牛のブランディングは本当に難儀をきわめるケースが多いんです。全国に一次産品は数々ありますが、牛肉というのはステークホルダー(利害関係者)が少なくないために、議論が進まずに終わってしまうこと、しばしばであると、各地の関係者から耳にしていました。
- 秋田由利牛の関係者のみなさんは、それこそ歯を食いしばり、覚悟を決めてブランディングに臨んでいました。それでもこのページの公開まで3年間かかっています。最初の一歩を踏み出すまでが難しいのですね。
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皆が少しずつの無理を引き受ける
- 秋田由利牛振興協議会のみなさんが言うように、今回の挑戦にはいくつものハードルがありました。精肉と内臓を同時に(同じ一頭の牛から)そろえるのは、業界の常道からすると、ここまで厳しいものだったのですね。
- でも、「まるごと旨いんだ」「食べ飽きすることなく、すべての部位を口にできるんだ」と伝えるには、この方法がやはりベストでしょう。生産者も、JAも、自治体も、そしてなにより地元の食肉卸も、それぞれが少しずつの無理を引き受けたから実現した話であると感じています。
- 「よそを見て、なんとか差別化を図る」のではなく、「よそがどうあれ、自分たちが唯一無二と確信するところを伝える」という姿勢は、すべての地域産品に求められるものだと、私は改めて思いました。秋田由利牛で言えば、「まるごと」という答えを導けたことが大事だったのですね。
- 興味ある部位を、可能なかぎり多く組み合わせてご支援いただき、振興協議会が果敢に挑む「まるごと」を、ぜひにご体感ください。
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